野村證券株式会社様 オンデマンド印刷システム 導入事例
オンデマンド印刷システム 導入事例
目論見書オンデマンド印刷システムを導入、コンプライアンス体制の向上と目論見書管理コストの大幅削減を実現
野村證券株式会社では、目論見書の交付義務違反を未然に防ぐため、目論見書の管理に多くの労力を投じていた。そこで、法令違反のリスク低減を実現しながら、目論見書の管理負荷を軽減するための強力なインフラとして導入されたのが、「目論見書のオンデマンド印刷システム」である。
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- 野村證券株式会社
アドミニストレーション業務部
企画課長
本井 裕樹 氏
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- 野村證券株式会社
アドミニストレーション業務部
北尾 朋美 氏
オンデマンド印刷システム導入の背景/課題
投資信託の交付目論見書(以下、目論見書)は、投資信託の販売時に投資家へ交付することが証券会社に義務づけられている。多くの投資信託の目論見書は半年に1回改訂されるが、投資家には必ず最新版を交付しなくてはならず、古い目論見書を交付して販売した場合は法令違反となる。法令遵守のため、野村證券株式会社様(以下、野村證券)では、目論見書の版の管理に多くの労力を費やしていた。
アドミニストレーション業務部の本井裕樹氏は、コンプライアンス推進の立場から、目論見書の管理指導に携わってきた。本井氏は、システム導入前の目論見書の管理状況について、次のように振り返る。
「野村證券で扱う投資信託の銘柄は約250種。適切な販売行為を行うため、『目論見書は全銘柄を最低2部ずつ保管する』という社内規則を設け、営業店に徹底していました。約250種の目論見書が、それぞれ異なるタイミングで改訂されるため、営業店では毎日のように改訂版への差し替え作業が発生します。差し替えはダブルチェックのため2名体制で行い、更に総務課長が月に1~2回、半日をかけ、全銘柄の管理状況を確認します。これらの作業が、約170ある営業店のほとんどで行われていました」。
同部の北尾朋美氏は、「仮に古い目論見書を交付し販売してしまった場合、お客様に古い情報を元に投資判断いただいたことになってしまいますし、法令違反にもなります。また、同じように古い目論見書を、他の投資家にも交付し、販売していないかの確認を要する場合もあり、営業担当者・管理担当者の業務にも、当社に対するお客様の信頼にも、多大な影響を及ぼします。」と、差し替え漏れが引き起こすリスクについて語る。
リコーが提案したオンデマンド印刷システムの概要
そのような中、2008年10月、目論見書をわかりやすく簡便な記載に改定する法改正が行われる見通しとなり、百数十ページにも及んだ目論見書が十数ページ程度と、大幅に簡素化されることになった。同じ頃、リコーは野村證券のオフィスフィールドワークを通じた業務改善提案活動の一環で、「パンフレット類のオンデマンド印刷」を提案していた。店頭配布するパンフレットを店内の複合機で出力できるようにし、余剰在庫を削減するソリューションだ。
この提案がマッチし、生まれたのが「目論見書のオンデマンド印刷化」の構想である。「目論見書が十数ページ程度になれば、社内の複合機でも製本印刷が可能です。そして、社内で必要な時に出力できるのであれば、目論見書を在庫として持つ必然性はなくなる、というわけです」(本井氏)。こうして、野村證券のオンデマンド印刷システム開発がスタートした。
システムのベースとなる文書管理・印刷機能には、Webワークフローシステム「R@bitFlow」を採用した。R@bitFlowには機能実現に必要となるシステムパーツが揃っており、パーツを組み合わせることで、ゼロからの開発に比べはるかに短期間でシステムを構築できる。オンデマンド印刷システムも、要件定義からリリースまで
約半年弱のスピードで開発が進んだ。
このシステムで実現した重要な機能が、「データの版管理」である。野村證券では、目論見書の最新版データを社内イントラで公開しているが、このデータをオンデマンド印刷の文書管理サーバーに自動的に取得する機能を持たせた。オンデマンド印刷システム側では、データ更新作業の手間なく最新版のデータを持つことができる。また、管理者機能によりデータに公開期限を設定できるため、ユーザーは常に最新データにだけアクセスできる。
文書を手軽に出力できることもポイントだ。オンデマンド印刷システムでは、用紙のタテヨコや製本形式など、文書によって異なる複雑な印刷設定を、すべてサーバー側で制御できる。ユーザーは、ブラウザ画面上で印刷対象文書を選択するだけで、設定ミスなく文書を印刷できる。「正しい内容の目論見書が、必要な時に簡単に出てくる、というのがこのシステムの要です。自動販売機のように、ボタン一つで正しいものが入手できれば、余計なストックは不要になりますからね」(本井氏)。
2010年7月、法改正の適用にあわせ、オンデマンド印刷システムがリリース。同時に、「全銘柄を最低2部保管」する社内規則を撤廃し、在庫は営業店が必要に応じて保有するという運用に改めた。
オンデマンド印刷システム導入効果
2011年8月に在庫保管状況を調査したところ、1営業店あたり平均25種と、かつての1割程度にまで減少した。「営業店全体で、約35人月の管理工数削減となりました。また、本社は目論見書改訂時に、最低保管部数を全営業店に配送していましたが、この制度廃止により年間約8,000万円の物流コストが削減されました」(本井氏)。
コストの大幅削減に成功したが、「管理労力を少なくし、結果として法令違反のリスクを低減できたことが、成果として非常に大きい」と本井氏は強調する。「管理を徹底しても、ミスをゼロにすることは難しい。そこをシステムがカバーすることでリスクを減らし、販売業務に集中できる環境にしてあげたい、というのが、発想の原点だからです」(本井氏)。
「「システム導入で、目論見書の管理手段の選択肢が広がりました。売れ筋の銘柄は在庫を十分に確保して販売業務に支障がないようにし、それ以外は在庫を持たずオンデマンド印刷を活用する、と使い分ければ、各店の販売状況に最適な在庫の運用が可能です。システム活用のメリットを正しく理解してもらい、業務改善に役立ててもらえるよう、努めていきたいです」(北尾氏)。
今後の展望
オンデマンド印刷システムのさらなる活用について、本井氏は次のように語る。「オンデマンド印刷システムには、文書交付にフレキシブルに対応できる強みもあります。たとえば、当局の指導により、新たな文書の交付義務が発生した場合、以前は目論見書に追加文書を手作業で差し込み、対応していました。しかし、目論見書印刷データに追加文書をデータとして組み込んでしまい、オンデマンド印刷システムで出力すれば、差し込みの手間は一切なくなります。目論見書の版管理にとどまらず、さまざまな場面で機能を応用できるという手ごたえがあります」。
本井氏は、オンデマンド印刷システムを目論見書以外の文書にも適用し、コンプライアンス体制の向上とともに、文書管理業務の更なる効率化を推進していきたいと、今後の展望を述べた。

野村證券株式会社
| 本社 | 東京都中央区日本橋1-9-1 |
|---|---|
| 設立 | 1925年12月25日 |
| 資本金 | 100億円(2011年3月) |
| 事業内容 | 証券業 |
| URL | http://www.nomura.co.jp/ |
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