このページの本文へ このサイトのメインメニューへ
言語切替メニュー

RICOH imagine. change.

リコーITソリューションズ株式会社

現在地

RICOH IT SOLUTIONS WEB MAGAZINE

誰でも作れるAIガイドで地域を変える 「ARGS」が挑む、持続可能な観光DXへの挑戦

専用のアプリをインストールすることなく、手元のスマートフォン一つで、AI翻訳・読み上げによる多言語デジタルガイドを構築・配信できる「デジタルガイドデッキ ARGS」。このシステムが実際の現場でどのように活用されているのか。二つの事例から、事業の「現在地」を報告します。

CASE1 東京富士美術館

ADOPTION

学芸員とのつながりと大河ドラマが後押しした導入

東京富士美術館様への導入は、学芸員の方とのつながりから始まりました。きっかけは、2024年2月に開催された企画展『源氏物語 THE TALE OF GENJI』です。大河ドラマの影響で音声ガイドの需要が見込まれていました。

「ARGS」が採用された最大の理由は、学芸員が伝えたい作品の魅力や意図を、外部の制作会社に依存せず自分たちの手で直接形にできる点にありました。また、限られた準備期間の中で、短期間のうちに自前でガイドを制作できる利便性が評価されました。

EFFICIENCY

AI音声で実現した低コストな自作ガイド

導入によって得られた効果は、制作プロセスの効率化です。従来の音声ガイド制作は声優などによるスタジオ収録を伴うため、制作に数か月を要し、100万円以上の費用がかかるケースもありました。しかし、AI音声を活用する「ARGS」なら、長くても半日、操作に慣れれば1時間程度での制作が可能です。また、外部の有料サービスに頼ることなく、自作で無料提供できる仕組みがマッチしていました。

実は以前、東京富士美術館様では別のシステムで音声ガイドを制作された際、「操作や運用に苦労した」という苦い経験があったようです。そこで、担当職員の方に「ARGS」のデモをお見せしたところ、「これなら簡単に使える」と、操作性の高さを実感してくださいました。

東京富士美術館「マン・レイ展」より。オーディオガイド再生画面

CASE2 大分県竹田市「たけた竹灯篭『竹楽』」

SOLUTION

ろうそくの優しい灯りが包む夜祭、その課題をデジタルで解決

大分県竹田市の事例では、毎年開催される夜祭「竹楽(ちくらく)」において、街灯の明かりが届かない場所では紙の地図は読みづらいという課題がありました。これでは、歴史的な町並みや祭りの魅力が来場者に伝えきれません。そこで、スマートフォンの画面で閲覧できるデジタルガイドの導入に至ったのです。

実際にスマートフォンなら、暗所でも情報を確認でき、その点が夜祭という環境に適していました。現在は名所案内だけでなく、町歩きやお土産紹介も組み合わせ、地域を巡る周遊観光のツールとしても活用されています。

ANALYSIS

データで可視化された効果と運用で見えた課題

竹田市の事例では、継続的にデジタルガイドマップの活用を重ねた結果、3年目には前年と比較してQRコードの読み取り数が2.4倍、ページ閲覧数は2.1倍と増加しました。こうした利用時間帯やアクセス数を正確に可視化できるのも、デジタルツールならではの成果と言えます。利用状況を数値化することで、来場者の具体的な動向を客観的な数値として把握できるようになったのです。蓄積したデータを分析し、次のガイドや観光施策の改善に活かせる点も「ARGS」の強みです。

また、こうしたデータ分析を通じた振り返りから、竹田市のご担当者様にも新たな気づきがあったと伺っています。それは、「ガイドマップ」という名称にしたことで地図機能のみと誤解され、音声や動画などのコンテンツが見逃されてしまったのではないかという点です。竹田市ではこの経験を糧に、次回は提供するコンテンツの魅力がより正確に伝わるような施策へとつなげていきたいと検討が進んでいます。

スタンプラリーなど、イベントを楽しむコンテンツも充実

VISION

データ活用で地域に新たな価値を

「ARGS」の強みは、誰でも簡単に制作・配布できる「作りやすさ」です。例えば急な雨天によるイベント中止やスケジュールの変更なども即座にお知らせ可能。岡山県でのとある事例では、祭りの最新情報をリアルタイムで発信し続けたことで、来場者からのクレームが減少しました。

私たちが目指すのは、「地域の魅力をデジタルで発信」し、「利用状況のデータを蓄積・分析」して、「発見した新たな価値を次のガイドに組み込んで再発信」するという、「観光DX のサイクル」を確立することです。単に人を集める「集客」から地域を回遊してもらう「周客」へ。そして、ただ招き入れる「誘客」から深く楽しんでもらう「遊客」へ。こうしたシフトを実現し、地域を広く回遊して遊んでいただくための支援を、今後さらに強化していきたいと考えています。


「RICOH IT SOLUTIONS WEB MAGAZINE」は
現場で生まれる挑戦や創造のストーリーを通じて
ITがもたらす新たな価値の流れをわかりやすくお届けする
リコーITソリューションズのWebマガジンです

お問い合わせ:リンク
発行:リコーITソリューションズ株式会社
マーケティング本部 デジタルマーケティングセンター
マーケティング推進室 コーポレートコミュニケーショングループ