

急速に進むデジタル変革の中で、企業が真に求める改革とは何か。リコーITソリューションズでは、組織の本質的な課題を紐解く新たな挑戦を始めています。そのため世界基準のプラットフォームである「ServiceNow」とパートナー契約を締結しました。
【ServiceNowとは】
企業内のさまざまな業務プロセスを1つのプラットフォーム上で統合し、効率化するクラウド型サービスです。問い合わせ対応や障害処理などの定型業務を自動化する機能を備え、近年は人工知能を活用した業務支援機能も拡充されました。企業の生産性向上や業務変革を推進する基盤として、世界中の多くの組織で導入が進んでいます。
リコーITソリューションズ(以下RITS)では現在、お客様へのServiceNowの提供に向けて動いています。私たちが目指しているのは、ただシステムを構築して提供することだけではありません。この強力なツールを活用し、お客様自身も気づいていない「潜在的な課題」を解決へと導く真のパートナーになることです。しかし現在、大半のお客様が「AIを使いたい」と望む一方で、自社の本当の課題を正確に把握している組織は決して多くありません。何から手をつければよいかわからないという現場のリアルな悩みに直面したとき、私たちは傾聴を通して言葉の裏にある本質的な要望を探ります。なぜなら、お客様が本当に実現したいのは、単なるAI導入ではなく、蓄積したデータを活用し業務改革を進め、新しい価値を創出することだからです。
お客様にとって最適な仕様を厳選し、バランスを調整するのもRITSが果たすべき役割だと考えています。システムの導入にあたり、例えば承認者を3人に限定したい、直属の上司とその上の上司のみ設定できるようにしたいといった細かな要望に応えすぎると、将来のバージョンアップ時の足かせになりかねません。そのため、業界の標準的な手順に業務を合わせる「Fit to Standard」の見極めが不可欠となるのです。お客様自身も気づいていない業務プロセスを分解し、サポート業務などスタッフ部門の負担を減らし、そこで浮いたリソースを新たな製品開発へ振り向ける。そのような持続可能な企業成長を支えるために、私たちの提案力が試されています。
具体的なサービス提供に向け、まずは自社内でツールを徹底的に使い込む活動から開始しました。工数や売り上げ管理などの社内システムを刷新するタイミングに合わせ、社内からの問い合わせや障害発生時の対応といったITSM(ITサービス管理)業務への導入を実施したのです。
さらに現在は、リコーグループの大規模なシステム改善活動に入り込んでいます。リコーグループでは社内業務システムに対して年間に数万件の問い合わせが発生します。現在はその多くを人の手で処理していますが、ServiceNowの「AI社員」と呼ばれるAIエージェント機能によって自動で回答したり、適切な部署へ案件を振り分けたりできるようになれば、人間の労力と時間を大幅に削減できる見込みです。このような大規模システムで培った知見を、同様の課題を抱えるお客様へ横展開することで、リコーITソリューションズの戦略商品として確立していきます。

もちろん、このようなサービス展開をしていくためには適切な提案ができる人員が不可欠です。しかし現在、IT市場ではServiceNowを扱える人材、特にお客様の要望を体系的に整理して提案できるコンサルタントが不足しています。この課題に対し、RITSでは2026年度中に100名規模の専門技術者を育成するという目標を掲げました。日々の業務と並行して社員が主体的に学べるよう、手厚い支援制度の構築を進めています。オンラインの学習コンテンツを導入するとともに、試験費用の会社負担や資格取得時の報奨金支給などを制度化し、組織全体で学びを力強く後押ししているところです。
また、ここでの育成は単なる操作スキルの習得に留まりません。技術習得に向けた座学や社内実践を進めると同時に、お客様の真の課題を引き出し、体系的に整理できる「ITコンサルタント」としての提案力を育てることにも注力しています。
さらに、全国に拠点を持つリコージャパンが現場で培ってきた、中小企業のお客様が何に困っているかというリアルな情報を分析できる点も私たちの大きな強みです。例えば、関東と九州では直面する課題が異なり、年齢層によっても求める支援は変わります。こうした特性を見極め、それぞれの状況に合わせた最適な解決策を導き出す課題解決力を養うことで、技術とコンサルティング能力を兼ね備えた人材が育つのです。
私たちの根底には、「with you :: with value」というタグラインがあります。日々の業務に追われる中で、自社が抱える本当の困りごとに気づいていないお客様は少なくありません。しかし、問題が表面化してからでは打てる対策が限られ、解決に多大な時間とコストがかかってしまいます。
ITシステムは、導入して終わりではなく、日々の業務の変化に合わせて常に最適な状態へアップデートし続けることが欠かせません。だからこそ私たちはお客様の隣に寄り添い、まだ見えていない課題を一緒に紐解き、単にツールを提供するだけでなく、伴走しながら会社の資産価値を共に育てていきたいと考えています。
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