

リコーITソリューションズには、エンジニアが自発的に技術を楽しみ、未知の領域へ挑戦する文化があります。その姿勢を象徴するのが、チーム「札幌ギアワークス」による「ETロボコン2025」最高峰クラスへの参戦です。好きなことに没頭する情熱が、いかに自身の成長を加速させるのか。世代を超えて技術への想いが受け継がれる、彼らの軌跡を追います。
【ETロボコンとは】
同一の走行ロボットを用い、ソフトウェアの設計(モデリング)と実装(走行技術)の総合力を競う、エンジニアの登竜門。競技は基礎を固める「プライマリークラス」と、応用力を問う「アドバンストクラス」の二つがある。特にアドバンストクラスは、カメラ画像認識やAIによる制御、複雑な「難所」の完全攻略が求められる国内最高難度の舞台である。RITSは2006年の初参戦以来、全国大会での各賞受賞や総合優勝などの実績がある。
「札幌ギアワークス」の挑戦は、リーダー佐藤大生と森篤志の「次こそは納得のいく結果を出したい」という強い想いから始まりました。2年前の悔しさを糧に、彼らが呼びかけたのは入社2年目の若手3名。経験者の熱意と若手の純粋な好奇心が重なり、最高難度のアドバンストクラスへの参戦が決定しました。
佐藤 私が発起人となってメンバーを集めたのですが、実は私と森さんは2年前の大会で予選敗退し、本当に悔しい思いをしていたんです。だから今回は、そのリベンジをあえて最難関の「アドバンストクラス」で果たしたいと考えました。
記伊 私は佐藤さんに誘われたとき、そのクラスがどれほど難しいか全く知りませんでした。でも、同期の今村さんと「せっかくやるなら一番高いレベルに挑戦しようよ」と盛り上がってしまって。
大田 それを聞いて、慎重派の僕は正直「いきなり最高難易度は無謀じゃないか」と冷や汗をかいていました。でも、記伊さんたちの純粋に新しい技術を楽しもうとする熱量に、最後は僕も覚悟を決めました。
佐藤 あの時の若手の「面白そう」という勢いは凄かった。経験者の私と森さんが、彼らのワクワクをうまく形にできれば、勝機はあると可能性を感じた瞬間でした。
通常業務との両立は想像以上に過酷なものでした。地区大会を目前に、チームは深刻な遅延に見舞われます。足を止めていたのは技術的な難題以上に、年次の差が生む「遠慮」という壁。議論が深まらない空気に危機感を抱いた佐藤は、現状を打破すべく、チーム全員の本音を引き出すための徹底的な振り返りの場を設けました。
佐藤 最初は、後輩たちがどこか「自分たちはお手伝い」のような感覚で、私に遠慮しているのを感じていました。スケジュールが遅れ始めたとき、「気になったことがあれば自分が相手でも指摘してほしい」と伝えたのは、チームとして対等な関係になりたかったからです。
今村 あの日を境に、自分たちがどうしたいかを全員が対等に話せるようになったと思います。それまでは無意識に「佐藤さんが言うなら」と受け身になっていた部分がありました。
記伊 空気が一変しましたよね。僕は何をやればいいかはよく分かっていなかったのですが、とにかく手を止めたくなくて。地区大会後に皆が少し燃え尽きていた時期も、メンバーにメッセージを送り続けていました。
佐藤 記伊さんの当時のやる気には、リーダーの私たちが刺激をもらったくらいです。誰かに管理されるのではなく、後半は自分たちの意志でペア開発に切り替えるなど、納得するまで対話を尽くしたことが、開発を加速させる最大の力になりました。


攻略の鍵は最新のAI活用と対話にありました。GitHub Copilot※で実装を加速させる一方、設計では札幌に根付く「有志で学び合う文化」を活用。経験者の誘いで始まった勉強会に週一度ベテラン2名が合流し、幅広い設計思想について議論を深めました。先輩からフラットに学べる場こそが、図面の本質を突き詰め、設計の品質を磨き上げる決定打となったのです。

森 実装では、AIを設計学習の壁打ち相手として活用したり、アイデア出しに使うことで、自分たちだけでは到達できなかった知識や発想を得ることができました。理解を深め、自身の設計に反映することで、アイデアの幅が広がりました。
記伊 一方で、モデル作成ではベテラン社員の方々からの指摘に本当に苦労しました。週に一度の相談会で「目的が自分の言葉で語れていない」と本質を突かれたときは、自分の甘さを見抜かれた思いでした。
佐藤 先輩たちは、「なぜこの設計にしたのか?」と、常に本質を問い続けてくれました。単に動けばいいという点の知識ではなく、実務での信頼性や保守性までを見据えたプロの視点。それに応えようと若手が必死に食らいつき、フラットに技術論を戦わせる。この札幌事業所ならではの環境こそが、僕らの武器でした。
※【GitHub Copilot(ギットハブ・コパイロット)とは】
AIがプログラムのコードを提案したり、やりたいことを言葉で伝えるだけで自動的にコードを生成したりする開発支援ツール。
※GitHub CopilotはGitHub, Inc.の商標です。
技術を磨き、チームとしての結束を固めた「札幌ギアワークス」。万全の準備を整えた彼らはいよいよ、全国大会という実戦の舞台へと進みます。
デジタルサービス&プロダクツ事業本部
東日本開発センター 第2開発部 第3グループ
佐藤 大生
デジタルサービス&プロダクツ事業本部
東日本開発センター 第2開発部 第4グループ
今村 岳
ITソリューション事業本部 データアナリティクス
センター AIソリューション開発部 第2グループ
大田 翔貴
ITソリューション事業本部 ITサービスセンター
サービスマネジメント室 第1グループ
記伊 虎太朗
デジタルサービス&プロダクツ事業本部
東日本開発センター 第2開発部 第4グループ
森 篤志
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